NetWalker第2弾「PC-T1」は電房具の夢を見るか?
まさかのキーボード非搭載。そもそも次機種が出るとは思ってなかった。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20100419/1031544/


Twitterも騒然となってますが…結構海外からのTweetも多くてびっくり。僕のようなハンパ者と違って、本物のガジェットマニアってパワフルですね。


スレート型・電子書籍リーダー機能を前面に押し出しているのでiPad対抗と見る向きも多いようですが、写真を見るとまんまザウルスですね…10年前のPDAかと思った。

10年前といえば、当時の僕が大ハマリしていたSIIのBrainPad TiPO(ティポ)は、重量300gの全面液晶ペンデバイスで手書きメモをキラーアプリとするなど、このPC-T1に色々似通っていました。
キーボードをバッサリ省いて、必要な人は好きなキーボードを外付けしてくださいという姿勢や、そのくせPC向けのGUIをそのまま採用してしまう乱暴さまでそっくり。
TiPOはもともと業務用のペンコンが出自で、PC-T1もそうした法人需要をにらんでいるとも考えられます。

そんなTiPOが、個人向け販売されるにあたってのキャッチフレーズの一つが「電房具」。
http://ja.wikipedia.org/wiki/BrainPad_TiPO



そういえば、文房具的アプローチのPDAって少なくなった。

まさに10年くらい前から、PDAはカラー化・高機能化に突き進み、メディアリッチ化と通信機能が重視されるようになり、ついにはスマートフォンという通信端末になりました。文房具というよりエンタメ端末になりました。
そんなエンタメ端末化の最先端にいるiPadを尻目に、十年一日のごとくザウルス式「電房具」をリリースしてしまうシャープ、その筋の通ったマイペースさは好感が持てます。

それに、「電房具」路線がそんなに的外れだとも思いません。

そもそも「iPad」として売り込まれているのは単体のデバイスではなく、iTunes StoreやiBooksを含めたエコシステム全体であり、それらが実現するライフスタイルであるので、デバイス単体で対抗することには意味がないはずなのです。
また、シャープが10年かけて育ててきた電子書籍フォーマット「XMDF」はすでに一定の勢力になっており、受け皿となるデバイスもたくさんあって、PC-T1はその一角にすぎません。なら、電子書籍リーダーを軸としたエンタメ端末としてでなく、別のストーリーでユーザーに受け入れられる必要があります。

Netwalkerの前機種「PC-Z1」はいわゆるMIDの市場を狙っているという触れ込みだったけれど、スマートフォンとネットブックの中間のMIDなんて市場が本当に存在するのか、ガジェットオタクの自分でさえ疑問です。
だいたいスマートフォンやネットブック自体が携帯電話とパソコンのスキマ商品みたいなものなのに、そのまたスキマにさらなる広大なフロンティアがあると思える方がおかしい。

そこへいくと「電房具」PDAには使ってくれるユーザーが少ないながらも確実にいることでしょう。ザウルスを使っていたような人たちです。
また、目玉機能である手書きメモや電子書籍って、ある程度以上の物理的液晶サイズと、レジュームですぐ使える軽さが両立しないと実用性を欠くものです。
それは電話機サイズのスマートフォンでも、PCベースのネットブックでも難しい。
まさにスキマのスキマ、狭〜いニッチにうまくハマって意外と好評を博するんじゃないでしょうか。

前機種はまるで欲しいと思えませんでしたが、これにはちょっと食指が動いてしまいます。

Posted : 2010/04/20 03:32:04

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