モバイルFlash終了…
正式発表:アドビ、モバイルブラウザ向け Flash の開発を終了。HTML5へ注力 -- Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2011/11/09/flash-adobe/

アドビカワイソス…
長くMacプラットフォームを支え続けた「糟糠の妻」アドビが、ダンナに当たるジョブスからケンカ吹っかけられてモバイルFlashを潰されたわけで。

このモバイルFlash終了宣言をもって、ジョブスのビジョナリーとしての正しさがまた一つ証明された、とする向きがありますが、そんなんじゃないでしょう。


従来のHTMLにFlashが補完してきた機能がかなりの部分HTML5で代替できる、と分かってきたとき、Flashは向こう何年かのうちにはHTML5に置き換えられていくんだろう、そうなった方が技術体系としてもシンプルで美しい、と誰もが思ったと思います。
でもフツーは、特にベンダーなら、HTML5非対応なレガシーブラウザへの対応に思いを致し、それらの利用者への救済策としてFlash環境を残す道を(そして共存によってますます技術体系がスパゲッティ化していく道を)選ぶわけです。
ところがジョブスの場合は、技術的な潮目が変わったと見れば、後方互換性も既存ユーザーの利便もブッちぎってレガシー技術を切り捨ててしまう。

そういう「それができりゃ世話ぁない」系の正論を手段選ばず押し通してしまうケレン味のなさ、断捨離力みたいのがジョブスの凄味なのですよね。
しかもそれを、自ら手がけたプロダクト(iMacだったりOSXだったりiPhoneだったり)の人気をテコにやってのけるから、誰も文句が言えない。
「未来を予測する最善の方法は、未来を創ることだ」というアラン・ケイの箴言を地でいっちゃってるわけで。

まあ、その周囲ではプラットフォームに関わる多くの人間、サードベンダーや客であるユーザーまでもが振り回されていて、またそういうことが一度や二度じゃないわけですが、それでも今回のアドビのように一方的にケンカを売られるようなケースは記憶にないですね…
昔のマイクロソフトの競合ツブシみたいのは、まだしも商売敵同士の話なので理不尽なりに理解はできますが、ジョブスのああいうのは天災みたいなもんで。アドビには同情を禁じえないわけです。

Posted : 2011/11/12 17:43:13

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