Galaxy Noteレポート【使用感】

外観



大きいですが薄いので、片手で握れるサイズ感です。

ただ、操作は片手では厳しいです。ストラップホールもないので、裸のまま無理に片手操作すると取り落としそう。
そういうことを期待する機種じゃないので問題ないですが。

シンプルで余分な出っ張りのない形状なので、薄さと相まってジャケットなどの胸ポケットにスッポリ収まり、出し入れで引っかかることもありません。
ハードウェアボタンは「主電源」「ボリュームコントロール」「ホーム」の3つのみ。クリック感は固めで、誤操作の起こりにくい調整だと思います。
このへんはユーザーの利用シーンがよく分かってる、というべきところでしょう。


通信環境



Galaxy Noteには、日本通信のbmobile U300 SIMを挿して使っています。
※2chスレのテンプレに貼ってありましたが、電話アプリで「*#*#4636#*#*」と打つと出てくるバンド選択画面で「JAPAN BAND」を選択すればFOMAプラスエリアの周波数帯を使えるそうです。2100MHz帯のみなら初期設定のままで利用可能

「Wireless and network → Mobile networks」設定画面で3Gネットワーク検索して「NTT DOCOMO」を選択するとなぜか「Unable to connect. Try later」と表示されるのですが、そのまま設定画面を抜けてもAPN設定ができていれば通信はちゃんとできます。
また、3G接続の状態でブラウザを起ち上げると「ネットワークに接続できません」と表示されることがありますが、データ送受信には成功します。

この現象は、bmobile U300が音声非対応のネットワークであることと関係があるようです。
基地局を見つけてパケット通信が確立しても(ないはずの)音声ネットワークを端末が探し続ける、いわゆる「セルスタンバイ問題」というもので、この機種に限らずAndroid機ではICSも含めて不可避のようです。(ただしSH-03Cのときは起こらなかった、と思う)
この問題で影響を受けるのは通信よりもバッテリーライフの方なので後述。

ここからはGalaxy Note本体とは関係ないbmobile回線の話。

●通信速度
手元(広島県広島市の自宅)で通信速度を測ってみるとこんな結果になりました。(こちらのサイトを利用させていただきました)

137.37kbps
日によってはちゃんと300kbps出るんですが。不調?
まあ、これでもテキスト系のアプリ(メール・RSSリーダーや2chなど)なら充分な速度。Webブラウズも、ちょっと待たされるけどまずまずできます。
ドライブ中の車内でカーナビとして使った場合も、GoogleMapナビの地図描画が追いつかなくなるなどということはなく、きちんと使えます。航空写真表示でもOK。
ただ、YouTubeはムリ。動画再生開始まで1分くらい待たされ、再生が始まっても10秒くらいごとに止まります。そんなレベル。
「スピードよりエリア」派の自分的には当面問題なし。

●エリア
エリアは…去年は高速を通ってけっこうあちこち行きましたが(山口・大阪・鳥取など)、今のところ圏外になったことはありません。
同じドコモMVNO回線である(ただしプラスエリアは非対応)WILLCOM CORE 3Gを使っていた頃は山間部で短時間だけ圏外になるスポットがありましたが、bmobileは中国山地を突っ切る国道沿いでも全く圏外にならず使い続けられました。
ただ、自宅から市街地へ降りていく道の途中にアンテナ表示1本になるスポットがあります。どんな僻地だよ…

●テザリング
GingerbreadのSIMフリー機+フリーSIMの組み合わせなので何の問題もありません。
何のカスタマイズもなしに「Wireless and network → Tethering and WiFi Hotspot」メニューからサクッと開始できます。
SH-03Cでroot化に手こずった挙句WiFiテザリングは諦めざるを得なかったことを思えば夢のよう。


音楽再生



Galaxy Noteに限らず、僕のスマートフォン利用目的として大きいのが車内カーナビ&車内iTunes。
端末からの音声は、カーオーディオにアナログラインケーブルで繋いだBluetoothレシーバーへ飛ばしています。

SH-03C時代から今まで、音楽プレーヤーとして使っているのはAndroid界定番の「PowerAMP」です。ただし旧バージョン(1.6)。
決め手は「(曲内に埋め込んだ)歌詞が再生中に表示される」「ギャップレス再生ができる」の2点だけ。
要するにiPod touch(iPhone)と同じ事をしてほしいだけなんですが、ただそれだけを満たせるプレーヤーがAndroid界にはなかなかないんですよ。ちなみに「PowerAMP」は有料アプリです。

プレイリストの同期には「TuneSync」を使っています。これも有料アプリ。
母艦PCでサーバソフトを走らせておくと、WiFi経由で母艦PCのiTunesプレイリストとAndroid側プレイリストを自動同期します。同期操作の必要なし。Macユーザの自分にはMac母艦向けサーバソフトがあるのが大きい。
Windows Mobile時代には、M3Uプレイリスト書き出し用のAppleScriptを書いて→母艦Mac上のフォルダにプレイリストを書き出し→それをSyncmateでスマホ側フォルダと同期する、という手間をかけていたことを思えば天国。
まあ、Mac母艦でWindows MobileやAndroidを使おうなどとひねくれたことをするから、という話ですが。

でも、PCはMac・PDAはBTRONから入ってマイナー路線をひた走ってきた自分としては、メーカーの囲い込みソリューションによう安住できんのですよ。そういうのじゃなく、汎用データ形式をベースとしたソリューションでなければ落ち着かない。
その意味でMac+iPod(iPhone)は失格。「.m4p」拡張子の著作権保護コンテンツはApple製品でしか再生できませんからね。

SH-03C時代の懸案だった再生音量の小ささは、Galaxy Noteに替えて解消されました。iPod touchと同程度の音量は出ていると思う。


GPS

とりあえずカーナビとして使えさえすればイイというスタンスなので、GPSについて測定等したことはないのですが、SH-03Cと較べて性能は上がっているように感じます。SH-03Cでは失敗していた室内での測位が成功するので。


また、「GPS 2 Bluetooth」ウィジェットや「GPS over BT」アプリを使うことで、GPS位置情報をBluetooth経由でPCへ払い出すこともできます。

Android以前は小型ノートPC+MapFan Navii+GPSレシーバの組み合わせでPCカーナビしていたのですが、やはりGoogleMapナビよりは使い勝手・ルート検索速度などにおいて優れているわけです。

GoogleMapナビで不足のとき、GPSレシーバをわざわざ持ち歩かなくても、PC+GPSレシーバとしてのGalaxy Noteという組み合わせが可能です。


ファイル同期



Windows Mobileでお世話になったMac用同期ソフト「Syncmate」は、ついに使わなくなりました。

パスワードの控えメモや出納管理Excelシートなど、ファイル数・ファイルサイズの少ないものはSugarSyncでWiFi/3G同期。
EBtのリンクメモのように数の多いものはFolderSyncのSMBフォルダ同期機能を使ってWiFi同期しています。(FolderSyncにもSugarSync・Dropboxとの同期機能はあります)



常用アプリ



Windows Mobileから引き継いだ常用データは、
・出納管理Excelシート
・Tomboのパスワード保護メモ(各種の控えメモ)
・EBtのリンクメモ
程度。それぞれ「PolarisOffice(標準付属のオフィスアプリ)」「miniNoteViewer(Tomboの互換アプリ)」「EBt for Android」を使っています。


常用レベルだとあとはFacebook、Google+、Google Reader、2chmate、EvernoteとHot Pepperやぐるなび等ですか。我ながらつまんないラインナップ…

あとブラウザは、これも定番ですがDolphin Browser HD

Xmarks(ブックマーク同期)とLastpass(パスワード管理)のアドオンを入れて、PCに近い環境でブラウズしています。


S Pen



Galaxy Noteのいちばんの特徴であり、購入の決め手の一つでもあったのですが…今のところ使い道はあまりないです。
日常的に手書きメモをとる人でなければ、あえてS Penを使う必然性はないでしょう。こうなるって最初からわかってたんだけどね…

ただ、副ボタンを押しながら画面をロングタップするだけで簡単にスクリーンショットが取れます。
これは快挙。

(ホーム+電源ボタンでも取れますね。知らなかった…)

もちろん、スクリーンショットにペンで追記もできるので、使いではありそうです。


バッテリーライフ



これが一番の問題。

DELL Streakの中古ならヤフオクで2万円出せば手に入るのにあえてGalaxy Noteに6万円払ったのは、2500mAhの大容量バッテリに魅力を感じたことが大きいわけです。

ところが実際使ってみると、あさ満充電で持ち出して夕方には残量が10%台になる日がある。5〜10分のうちに1%の割で消耗していく勘定です。また、そういう時は本体がカイロのように熱くなります。
ただ毎日そうなわけではなく、保つ日は1時間で1%程度の消耗にとどまることもある。

これらのことから、Galaxy Note本来の消費電力を大幅に引き上げている要因がなにかあると思い、常駐アプリを止めたりバックグラウンド同期を止めたり色々試したのですが改善せず、2ch頼みでようやく見つけた原因らしきものが先述の「セルスタンバイ問題」。

ググッてみると、このセルスタンバイ問題の対策パッチを作成されている方がいるようなのですが、その適用条件がこれ。

framework.jar が deodex された状態の Android 1.5 ~の端末
ClockworkMod Recovery で mount /system した状態
ナニそれ?

別な方のblogで上記方法の実践レポートが上がっていましたが、当然のごとく要rootかつ事前にシステムのバックアップを取るよう書かれており、もうそこからしてヌルい自分には高すぎるハードル。


とはいえ、先日丸一日かけてblogサーフィンしながら情報を集め、どうにかパッチあてに成功しました。
おかげさまで、電力消費率におけるセルスタンバイの割合が1/10前後にまで低下し、バッテリーライフが大幅改善しました。
セルスタンバイ Before:72% After:2%

現在では、WiFi/Bluetooth/GPSすべてオン・Google関係とSugarSyncのバックグラウンド同期オン・ただし画面輝度は最低という運用で、サスペンド中なら1時間あたり1%程度のバッテリ消耗で使えてます。
パッチを作ってくださったoovさん、情報を提供してくださったみなさん、ありがとうございます!

ということで、僕がセルスタンバイ問題解決パッチ当てに成功するまでの手順を後日別ページで公開することで、お世話になったみなさんとネット世界へのささやかな恩返しとさせていただこうと思っています。


総括



Windows PhoneのSC-01Bのときも思っていたのですが、サムスン製スマートフォン、イイ。

SC-01Bにも共通する美点なのですが、製品の質感はかなり高いものの、ハード・ソフト的にはシンプルで質素。
日本製品にありがちな、独自性を出そうとして機能を追加しすぎ全体のパフォーマンスを落としたり、ユーザーによるHackをガチガチに禁じるような作り込みをしたりといったことのない、素直な作りであると感じます。
また、microUSBポートに煩わしいカバーなどを付けてアクセス性を阻害したりしない。サスペンド中の電力消耗が少なく、バッテリが保つ。等々…
往年のSANYO製品に通じる魅力。

シャープのLYNX 3D SH-03Cとは…残念ながら比較になりません。
リリース日が1年近く離れていることや、評価する僕自身にオタクバイアスが働いていることを差し引いてもそう言い切れます。

もはやGalaxyシリーズこそAndroidスマホ界のリファレンス、といえる風格です。

Posted : 2012/01/17 00:38:24

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