シャープの新製品「NetWalker」、欲しい?
【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】 新ブランドを引っ提げて、MID市場に参入したシャープの思惑
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/20090827_310833.html



>シャープの試算によると、MID(ここではあえてMIDとするが)の市場規模は、2012年には全世界で800万台の規模が想定されている。MIDを含めたネットブック市場が、3,000万台強と予測されるなかで、4分の1をMIDが占めるという計算だ。
→市場動向・業界動向を出発点とする「後追い発想」

>NetWalkerの主要ターゲットとする30〜40代のビジネスマンの背広のポケット、ズボンの後ろポケットにも入る大きさとなるA6サイズ、重さを感じさせない400g台という重量、一般的にネットブックと同様に、スクロールなしでWebの閲覧を可能とする5型WSVGA(1,024×600)液晶の搭載、親指でのタイピングが可能なキーピッチ14mmのQWERTYキー。そして、JEITAバッテリー動作時間測定法で約10時間という駆動時間の実現である。
→実際の使用感に基づいていると思えない「机上の論理」

>もし、Bluetoothが必要という声があれば、次期モデルでの搭載を検討したい。まず、先行して製品を投入することで、ユーザーから多くの意見をいただき、それを先行的に次期製品に採用するというサイクルを作りたい。モニター制度も実施したい。
>また、Ubuntuを支えるCanonicalを通じた低価格ソフトのダウンロードの提供に関しても取り組んでいく考えで、これにより、ゲームソフトの提供などを含めて、NetWalkerの用途拡張を提案していく考えだ。 加えて、将来的には電子辞書、電子ブックといった領域にも用途を拡張させていくという。
→リスクもコストも否定して最大公約数に収めた「妥協仕様」と、ユーザーの反応を見るという名目での「結論先送り」

絵に描いたようなプロダクトアウト発想。ダメなマーケティングの見本って感じ。

合成の誤謬と言うか、各論正解・総論迷走ってとこでしょうか。
各論を追っていけば論理的・合理的判断をしているのだろうけど、リリースされたものを見ると迷走しているとしか思えない。「自分が欲しいモノ」をリスクを取って世に問おうという気概が出発点にないから、その後のプロセスで合理的判断をするほどに、ゴールは的外れなものになっていく。開発にたずさわったスタッフの中に、これを「欲しい」と思っている人っているのか?(ダメ押しの無個性ネーミング「NetWalker」…)

ガジェットオタクの自分としては、こういうマニアックなオモチャには物欲をそそられるんだけど。

Posted : 2009/08/31 00:34:39

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