報ステSUNDAYの上関町長選レポート
上関町長選に関するレポートを報ステSUNDAYでやってたが…

町長選で敗れた反対派の言い分を、さも巨大資本に虐げられる被害者のように情緒的に取り上げて、選挙での決着後もさらに対立を煽って何がしたいんだ?
多数決で出た結論を「誤り」だと否定しだしたら民主主義は成立しない。「正」か「誤」かではなく、「多数」か「少数」かなんだから。
もちろん、反対派は選挙で敗れたからといって絶対に納得などしないだろう。多数決で負けるなら実力行使で妨害するだけであって、現にそうなっている。
多数決などしょせん多数派が自分の言い分を押し通すための方便にすぎない。

上関町内でも反対派はほとんど祝島(原発予定地の向かい)の住民・賛成派はそれ以外の地域とキレイに分かれている、という構造がわかったのはよかった。

「いちばんの問題は国のエネルギー政策のブレ」だと岸博幸は言ってたが、それより大きな問題は過疎そのものだろう。
人口減少にともなって、毛細血管が詰まるように過疎地の運営が行き詰っていく。その意味では、原発関連の交付金をアテにできる上関はまだ恵まれている部類だ。
それすらできない自治体が実際は大多数のハズで、それは今後も増えていく。

都市在住者は安易に「限界集落は畳め」などと言うが…

Posted : 2011/10/02 16:16:51


Comments (1)

2011/10/02 17:30:32

昔からある対立図式

ちょっと前、自民党は「農村型政党」・民主党は「都市型政党」と言われたが(いまでもそうか?)、当時からおかしかった。
自民党内部にも都市型議員は多く(若手・世襲議員ら)、逆に民主党にも「農村型」を代表する小沢一郎が鎮座している。
都市型議員は都市住民の利害を反映して「経済成長重視」「重商主義」「規制緩和」「小さな政府」「メガロポリス志向」「観光立国ビジョン」といった立場を取ることが多く総じて外向き・前向き志向なのに対し、農村型は「保護主義」「規制強化」「バラまき」といった弱者保護・内向き志向で、都市派有権者を苛立たせている。

これって、日本に古くからあった対立図式ではないか?
いわゆる「平家・海軍・国際派」対「源氏・陸軍・国内派」の図式。
(平家とは京都を拠点とし貨幣経済/海外通商に力を入れた都市派勢力・源氏とは東国開拓農民の利害を代表した農村派勢力、といっていい)

政権交代当時、自民も民主もシャッフルしたうえで都市党と農村党に切り分け(ネーミングはどーでもいい)、政策での対立を明確にしてほしい、と思ったのは自分だけではないはず。
実際には自民も民主も両方の勢力を包含し、主張も政策も定見のない感じになってしまうのは、アジア的中庸の美徳なんだろうか。

今後は都市派と農村派の利害対立がより顕在化されていくはず、と思っていた。なぜなら、利害相反に目をつぶる余裕が日本になくなっていくから。
「一票の格差」問題などはその兆候だと思っていた。

しかし、都市派・農村派の対立図式が、所得格差や世代間格差などと重なる形ならとっくに爆発していたかもしれないが、








1.都市/2.農村1.高所得/2.低所得1.若者/2.高齢者1.新興勢力/2.守旧勢力
1勝ち勝ち負け負け
2負け負け勝ち勝ち


のように必ずしも勝敗が重なっていない。

しかも、都市部に集中したかつての若者がスライド式に高齢化していったり、田舎の若者が大都市で就職するのが当たり前でなくなったりして、都市部≒若者・農村部≒高齢者の図式は今後は崩れていく。
高所得・低所得や新興勢力・守旧勢力も、都市派・農村派と単純に切り分けできず、それが対立図式を複雑にというか、ボーダレスかつ偏在した形にするだろう。

その「ゆでガエル」的状況がまた苛立ちの原因になるのだが…
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