PPC Mac上の「仮想」超漢字で、直接TiPOのメモリーカードが読めました!
フリーのPCエミュレータ「QEMU」については、TUNEさんもよくご存知のことと思います。
(一昨年の「Zaurusで超漢字は動くか?」プロジェクト、楽しく拝見させていただきました)
この「QEMU」のMacOSX(PPC・Intel)版は、「Q」という名称で公開されています。

http://www.kju-app.org/


コマンドラインで操作する「QEMU」とちがい、こちらは「Virtual PCリスト」風の管理パネルが用意されたGUIアプリとなっています。
反応速度は、VirtualPCよりちょっと遅いかな、という程度。僕の環境(PowerBook G4 1.3GHz)では、マウスの動きに引っ掛かりを感じて多少ストレスがあるものの、使おうと思えば使えなくはない、くらいの印象です。

「Q」では、仮想マシン(以下VM)向けの仮想HDDとして、ターミナルの「dd」コマンドで作成したディスクイメージを利用できます。
以前TiPOのメモリーカードから作成したイメージファイルを2台目の仮想HDDに指定したところ問題なくマウントしてVM上でのデータ書き込みに成功し(B-right領域・FAT領域とも)、さらにこれをメモリーカードにddで書き戻してTiPOで読むことにも成功しました。

ここからさらに一歩進んで、仮想HDDの参照先として実デバイス、つまりUSBポート上のメモリーカードのパス(/dev/disk1 など)を指定することで、これを直接マウントして読み書きすることもできました!


条件、というほどでもないですが、注意点がいくつかあります。
「Q」の管理パネルで2番目の仮想HDDを設定する場合、ファイル選択ダイアログからイメージファイルを選択する仕様になっており、実デバイスを参照させるためには、仮想マシンのパッケージファイル内にあるXML形式の設定ファイル「configuration.plist」を直接書き換える必要があります。
また、僕のように2パーティション化して片方をMacでマウントしている場合はVM起動前にマウント解除する必要がありますが、Finder上でディスクを取り除くとデバイス自体が取り外されるため、「ディスクユーティリティ」から「マウントの解除」操作をしなければなりません。
それと、複数のUSBストレージを同時利用することでメモリーカードのデバイスパスが変わる可能性があります。

これらを半自動化すべく、AppleScriptで簡単なランチャを作ってみました。

QVMランチャ
http://webspace-kk.sakura.ne.jp/myfolder/cgi-bin/ebtshell/ebtshell.cgi?page=/2008/07/10134711000

最初の起動時にVMの居場所と管理者パスワードを尋ねますが、2回目以降はダブルクリックだけで「ディスクのパスを選択」→「設定ファイルの書き換え」→「マウント中のボリュームをマウント解除」→「VM起動」の一連の処理を行います。


ただ、僕のPowerBook G4ではネットワーク接続ができません。
「システム環境設定」の「ネットワークカード」では「正常動作中」と表示されるので、VMの仮想NICを認識してはいるようです。
また、IntelMac(MacBookPro)の方に「Q」をインストールして試したところ、こちらはなんの設定もなしにあっさりネットワークに繋がりました。

TUNEさんの環境でどうなるかはわかりませんが、全く繋がらないわけではないので、こっちの方はゆっくり解決していきましょう。

Posted : 2008/09/06 03:32:32

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