WILLCOM NSとカバン内シェア
「コンセプトとハードウェア以外全部ダメ」といわれるWILLCOM NS。

外出する際に持ち出したい物はたくさんあると思います。サイフ・ケータイ・人によってはノートPCやiPodや電子辞書、それに手帳など。
しかし普段の外出では、使用頻度の低いモノはカバンあるいはポケットから追い出されてお留守番ツールへと二軍落ちし、ひいては使われなくなっていきます。(ガジェッターなら、身に覚えがあると思います)
現代のモバイル機器はそうした、他の小物との持ち歩き優先順位の競争、いわば「カバン内シェア」競争にさらされています。

その競争をスルーし、すでにカバンの中に居場所を持つシステム手帳にリフィルとしてもぐり込むという「ヤドカリ戦術」を採ったのがNS。評価されている「コンセプト」というのも、カバン内に自らの居場所を作ってもらうことを諦め、システム手帳を使わない人をも切り捨てて、少数でもより確実に支持を得られるであろうニッチを狙うその潔い割り切りそのものなのでしょう。
いわゆるブルーオーシャンとも違う、むしろ熾烈なシェア争いが繰り広げられるカバン内というレッドオーシャンの中にエアポケットを見つけ出した慧眼こそがこのコンセプトの出発点であり、キモだといえます。


…で、そのNSを買っちゃいました。それも、本体無料バラまきが始まるはるか前。目当ては980円回線だったんだけど、NSそのものへの興味を押さえ切れず、システム手帳ユーザーでもないのに手を出してしまいました。

使ってみた感想は、「こんな制約の多いPDA、久しぶりに見た…」

もちろん、用途を絞り込んだこの手のデバイスに自由度を求めるのはお門違いなんだけど、それにしてもハードのリッチな性能と可能性にフタをするかのようなソフト仕様が多すぎ。
ユーザーによる想定外の使い方を封じ込める意味なのでしょうが、それは自分には潔い割り切りではなくお仕着せに映る。「オマエらはこの窮屈な服でも着てろ」的な。
悪い意味で機能を絞り込んだ不親切仕様の背後に感じるメーカー側のエゴが、コンセプトもハードウェアも台無しにしてる感じにガッカリしました。
その意味でたしかに評判通りだったといえるでしょう。

Posted : 2009/09/14 16:00:28

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