その努力の先に顧客はいるのか?
晩飯どきに観ていた「シルシルミシル」でロイヤルホストが取り上げられてました。

料理人さんが作ってくる料理に容赦なくダメ出しする店長、メニューへの細かなこだわり、できあがった料理を1秒でも早く届けるために熱いお皿を素手で運ぶスタッフの根性など…品質にこだわり抜くものづくり日本の美点はここにも生きているわけですが。

でもなあ、ファミレスってそういう高度なサービスを期待して行くとこなの?
自分がファミレスに行くとき、そこで期待するのは「快適に長居できて、食事付きで雑談等できる場所」です。そう思うのが自分だけでないからこそ、ある時期からドリンクバーが一気に普及したのだと思うのですよ。
消費者サイドからみたファミレスの社会的ミッションが「快適長居空間提供業」だとしたら、スタッフの努力は的外れということにならないか?
会社が自社の社会的ミッションを自覚していなかったり、していても従業員と共有出来ていない場合、自分の持ち場・自分の担当業務の枠内で努力するしかない個々の従業員は、お客さんが望まない努力で消耗させられることになりかねないですよね。

とはいえ、ロイヤルホストに関して言えば、会社としてのこだわりポイントは「安全・安心」な「食」であることがはっきりHPにうたわれていますし、そういうことを求めるお客さんも多いことでしょう。
それに、ファミレスはまだいい。仮にスタッフの努力がお客さんの望みとズレていたとしても、努力の成果としての「おいしい食事」や「感じのいい対応」というのは、必ずお客さんに届くし、マイナスにはならないから。

でも、自社のミッションを自覚していない会社で、従業員の身を削る努力が空回りし、頑張れば頑張るほどお客さんのニーズから遠ざかって成果は出ず、成果が出ないゆえにますますヒステリックに努力をエスカレートさせてエブリデイバンザイ突撃状態になっている、そーいう職場って日本のあちこちにあるんだろーな、と思います。
もっといえば、「失敗の本質」に描かれた戦前・戦中から延々繰り返されてきた負けパターンなのでしょう。

Posted : 2011/06/21 02:01:45

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